一部上場化学メーカーに勤務してきた文系総合職女性の私が、「化学・素材業界はまったり高給か」をぶっちゃけます。
私は別業界に転職済ですが、まったり高給はかなりホント。
✅ この記事でわかること
- 化学メーカーがまったり高給な理由
- 内部にいたからわかる、化学業界の特徴
- 文系が化学メーカーで働く具体的なイメージ
化学・素材メーカーは一般消費者の目に触れることは少ない業界のため、イメージしにくいですよね。
化学・素材メーカーの業界研究や面接対策に役立つ内容になっています。
化学・素材メーカーのまったり高給は本当か
会社によるものの、ほぼYES。化学・素材業界は非常にまったりしていますが、お給料はまあまあもらえます。
もちろん、メーカーなので商社や銀行に比べると給料の絶対額は低いです。
しかし、残業の少なさや福利厚生の手厚さなどを勘案すれば高い水準。時給に直せば相当高いです。
証拠と言えるのが化学業界の勤続年数の長さ。まったり高給取りなんて、一番理想ですからね…!
さて、「まったり高給」を分解すると、2つの面があります。
まったり高給とは
- まったり=忙しくない・残業少ない
- 高給=給料がいい
この2つについて、化学・素材メーカーが実際どうなのか私の体験談を交えつつ深堀りします。
化学・素材業界はまったり=残業が少ない?
他の業界のメーカーに比べて残業が少ないです。もちろん会社によりますが。
化学メーカーにいた私が思う、在業が少ない理由は2つ。
化学・素材メーカーがまったりな理由
- 扱う製品の変化が少ないから
- BtoB産業だから
1個ずつ具体的に紹介します。
化学・素材メーカーがまったりな理由①扱う製品の変化が少ないから
化学・素材メーカーは扱う製品の寿命が長い分、忙しくないです。変化が少ない業界とも言えます。
化学・素材メーカーが扱う製品は大きく分けて2種類ありますが、どっちも変化が少ないんですよね。
化学・素材業界の製品を大別した場合の2種類
- 基礎化学品:どこの会社が作っても同じ
- 高機能品:会社独自の技術で作るもの
基礎化学品は製法が数十年前から確立されており、どこで誰が作っても基本的に性能は変わりません。基礎化学品はあらゆる製品の原料です。
だから、いかに安定して供給できるか、輸送コストが安いか、が大切なので、海外の安い輸入品にも対抗できます。
一方で、高機能商品は会社が研究開発を重ねて作られたオリジナル商品。他社には真似できないため、利益率が高い。
高機能商品にあたる東レの炭素繊維は50年かけて完成した、というのは有名な話。
まとめるとこういうこと。
- 基礎化学品:すでに確立された製法があり、変化なし
- 高機能商品:できるまで非常に時間がかかる
このように、化学・素材業界は研究開発に非常に時間がかかる分野です。
毎日毎日、前に進んでいくことが求められるIT業界とか、流行に敏感じゃなきゃいけないアパレル業界とかは、変化し続けることが求められます。
変わり続けるためには、ルーティーンじゃだめで、どんどん新しいことを仕掛けていく必要がある。そりゃ、忙しいです。
でも、化学・素材業界は変化がゆっくり。今まで通りやっておけばOKだから、忙しくないし残業も少ない傾向にあるんです。
化学・素材メーカーがまったりな理由②BtoB産業だから
化学・素材メーカーはBtoB、つまりお客さんは一般消費者ではなく会社。
化学製品は会社間取引なので大量発注が基本です。販売契約を1年ないしは数年単位で結びます。
ということは、あらかじめ販売数量や利益がわかるので、安定した経営ができる。
しかし、客先が一般消費者の場合はこうはいきません。
私は化学メーカーから転職してBtoCのメーカーに勤めていますが、「同じ職種でも忙しさがこんなに違うとは・・・」って感じます。
毎日毎日、売上の状況を把握して、目標にいくら届いていないか、その対策は…などなど追い立てられるように仕事をしています。。
一般消費者向け商材を扱うメーカーは、日々変動する消費者の動向に振り回されて忙しくなりがちなんですね。
化学・素材メーカーは年収が高い?
メーカーの中でも化学・素材メーカーは平均給与が高めです。
理由の1つが他の業界のメーカーに比べて化学・素材メーカーは従業員数が売上規模に比べて少ないこと。
一人当たりの売上が多ければ、おのずと一人当たりの給料も多くなります。
化学・素材メーカーが企業規模の割に従業員が少ない理由は、製造工程のほとんどが自動化されてるから。
基礎化学品の製造工程では、化学反応が自動的に進むので管理室で見守るのがお仕事になります。
プラントに故障がなければ、人手はほとんど必要ありません。
私は化学メーカーに入社して、広いプラント内は人気がなく、配管と機械がひたすら並んでいる様子に驚きました。
工場というものはラインに人が立って1つずつ組み立てを行う、とイメージしていたからです。
電機メーカーや自動車メーカーなどの組み立てが必要な工場では、ラインに人が入っていますが、化学・素材メーカーの工場はほぼ、自動化されています。
化学・素材メーカーの工場には人が少ない分一人当たりにかけられる人件費は高くなります。
ってことで、まったり高給の「高給」の部分のお話でした。
まったり高給な化学・素材業界に入社したいなら
まったり高給であるがゆえに社員が辞めず、採用人数も少ないので、化学・素材業界は狭き門です。文系は特に。
わたしが働いてた化学メーカーを例にすると、総合職の新卒採用は理系60人、文系15人くらいでした。
特に文系は倍率が高く、内定を取るのが難しい。
就活生のみなさんは、化学・素材業界に絞らず、ほかの業界も見て内定を持っておく方が心安らかに就活できます。
絶対に化学・素材業界でまったり高給ライフを送りたいなら、とにかくESと面接を磨くしかない。
一人で就活してると客観的な評価ができないので、就活エージェントからアドバイスをもらうことをおすすめします。
どこに登録してもそんな変わんないので、大手のこの辺↓から2つくらい登録しておくと良いと思います。
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化学・素材メーカーは辞める人が少ないので、中途採用の募集は少ない。
新卒で入社できるかどうかは、かなり重要です。できることは全部やって対策してください。
就活エージェントについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
就活エージェントおすすめ厳選3選【使い方の裏技もぶっちゃけます】
化学・素材メーカーはまったり高給だけど注意点も
化学・素材メーカーが「まったり高給」である理由を述べてきました。
とはいえ、もちろんいいことばっかりじゃないので注意点も述べておきます。
化学・素材メーカー志望の文系は要注意!理系が主役の職場です
文系で化学・素材メーカーを目指す人への注意点。
化学・素材メーカーの説明会に行くと、「文系の人も活躍できます!提案型営業ができます」などと説明されます。
しかし、実際のところは理系が主役の職場です。
文系の方に質問です。
化学が得意でしたか?好きでしたか?
はい、と答える人は文系にはあまりいないと思います。(はい、なら理系を選んでますよねw)
化学・素材メーカーで本当に活躍しようと思ったら化学への深い知識がなければ無理です。
よく、説明会で言われる、提案型営業も理系にしかほぼできません。
提案型営業とは
- 客先の抱える問題点を営業担当が集め、自社製品を使用することで解決できますよ、と提案する営業スタイル
- ソリューション営業とも呼ばれる
- お客さんから言われるままではなく提案ができるのが魅力
この提案型営業、面白そうだと思っちゃいますよね?私は魅力を感じて、入社してから騙されたな・・・って思いましたw
ただし、提案する相手は技術者の人=理系の人。同じ土俵で話ができるくらい化学に詳しくならなければ、提案型営業なんてできません。
じゃあ文系の営業って何するの?っていうと、私のいた会社では以下のような仕事をしてました。
文系の営業がやる仕事
- 既存取引先の御用聞き
- 接待のセッティング
- 次年度の契約書
- 予算立てや物流手配 etc.
提案型営業そのものは基本的に理系の人がします。
客先から要望があれば、営業の人が理系研究職の人を連れて行き、詳しい話をするんです。
はっきり言って文系にはチンプンカンプンな内容なので。
化学・素材メーカーが売りにしている高い技術力は理系がいてこそ成り立つもの。
文系で化学・素材メーカーに入社すると、経理や法務、企画で販売管理などサポート的な役割が多くなります。
営業であっても、基本的には既存取引先の生産計画を聞いて予算を立てる、みたいな仕事になります。
化学・素材メーカーは女性がめちゃくちゃ少ない業界
イメージ通りですが、化学・素材業界は女性が非常に少ないです。
特に文系は女性が少ない。理系にはいますし、研究職にはまあまあいます。ただし、製造現場にはかなり少ない。
女性が少ないということは、「前例がない」。
私は女性総合職で化学メーカーで働いてきましたが、制度もBtoCメーカーよりも整っておらず、正直なところ女性が働きやすい業界とは言えません。
職場のおじさんたちは女性総合職の扱いに困ってる様子でした。
何でこんなに昭和な制度のままなのか?化学・素材メーカーに女性が少なくて制度が整っていない理由は2つあると思ってます。
化学・素材業界が女性の働きやすい制度が整ってない理由
- BtoB業界だから企業イメージを気にする必要がないから
- 変化がゆっくりな業界だから
食品メーカーとか、化粧品メーカーとか、女性からの企業イメージが大切な会社は、女性が働きやすい会社にすることでイメージアップして商品を買ってもらう必要があります。
でも、化学・素材業界は会社間取引ですから、そこまで企業イメージは重要じゃないです。
また、上述の通り、化学・素材メーカーは変化が他の業界よりも遅いです。
女性が働きやすい制度が整うのも、おじさんたちの意識改革もゆっくりゆっくりです。(びっくりするくらい、会社にはおじさんしかいませんw)
逆に、「私が前例を作ってやるぜ!」くらいの気概がある女性が入社すると活躍できるでしょう。
化学・素材業界は今後も伸びが期待できる数少ない業界
色々とデメリットよりのことを書いてしまいましたが、明るい話題を一つ。
日本国内における企業で今後も伸びが期待できる数少ない業界が、化学・素材業界。
日本の化学・素材メーカーは(理系の技術者のおかげで)世界でもトップクラスの技術力を持っています。
また、基礎化学品は安定供給が大事なので、海外のものがいくら安くても対抗できるんです(いまのところは)。
しばらくは安泰な業界でしょう。
化学・素材メーカーはまったり高給?まとめ
化学・素材メーカーがまったり高給なのは、都市伝説ではなく、けっこうほんとです。(もちろん、会社にもよるけど)理由は2つ。
- 変化がゆっくりかつBtoB業なので残業が少ない
- 設備が自動化されてて規模の割に社員が少ない
ってことで、勤続年数が長くて人が辞めない→採用人数も少ない。
倍率が高くて狭き門です。しかも中途採用も少ないから新卒で入れないとけっこう厳しい。
どうしても化学・素材メーカーでまったり高給ライフを送りたいなら、就活エージェントの力も借りてES・面接対策を万全にするほうがいいです。
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