私は文系出身で一部上場企業の化学メーカーに就職しましたが、めっちゃおすすめ!とは言えません。
私自身の体験をもとに、文系でメーカーで働くとはどういうことか、現実的なことをご紹介します。
この記事を読むと、文系出身の人のメーカーでの働き方が詳しくわかるので、志望動機や業界分析にも使えます。
化学メーカー志望の方はこちらもどうぞ。
文系でメーカーに就職するのおすすめできない理由
文系の出身でメーカーに就職するのがおすすめじゃないのには3つ理由があります。
私がメーカーをおすすめしない理由
- メーカーでは文系は主役になれないから
- 文系は採用人数が少なくて狭き門だから
- 文系は仕事内容がつまらない職種になる可能性が高いから
順番に見ていきましょう。
メーカーをおすすめしない理由①文系は主役になれないから
メーカーは、理系が主役の職場です。
これはどんな業界であろうとメーカーであれば間違いありません。
メーカーの根幹である、モノを作ることを文系にはできませんし、技術の内容について理解するのも難しい。
当然、社内での発言権も地位も、理系の方が上です。
したがって、文系の仕事はどうしても補助的な仕事になり、主役にはなり得ません。
会社の中で一番華やかな部署でバリバリ活躍したい!という人にはおすすめできません。
逆に言えば、そんなに活躍とかは期待せず、ゆるく会社に勤めたいなという人には向いていると思います。
メーカーをおすすめしない理由②文系は採用人数が少なくて狭き門だから
文系の人が初めからメーカーに絞るとえらい目に合います。
文系のメーカー募集人数は少なく、狭き門だから。
例えば、私が初めに入社したメーカーの新卒採用数は、文系13人、理系58人。
メーカーによって採用人数は違うけど、圧倒的に理系の方が採用人数が多いです。
メーカーで安定して働きたい人はたくさんいるので、応募人数も多いから倍率が高い。
文系でメーカー志望の人は以下の2つの対策をしておいた方がいいです。
文系でメーカー志望の就活生がやるべきこと
- ほかの業界でもいいから、内定を一つとっておく
- 就活エージェントを使い倒して書類・面接対策を徹底
初めからメーカーに絞ってしまうと、いつまでも内定を取れず精神的に追いつめられる、ってことになりかねません(私が実際にそうでした)。
ほんっとうにどこの会社でもいいから、内定を一つ確保してください。ひとつも内定がないあの辛さは、ヤバかった・・・!
また、ただでさえ狭き門なので、就活のプロであるエージェントを頼って書類や面接対策をできる限りやっておく。
就活エージェントがおすすめしてくる企業は話半分に聞いておいて、使えるとこだけ使いたおせばOKです。
メーカーをおすすめしない理由③文系は仕事内容がつまらない職種になる可能性が高いから
メーカーでマーケティングや商品開発、といった華やかな部署に配属される人はほんの一握り。
文系は経理や人事、総務、生産企画などの管理配属される人の方が圧倒的に多いです。
メーカー経理にいた私の個人的な見解ではありますが、「管理部門ってまじつまんない」
理系の人が気持ちよく仕事ができるようにサポートする仕事が中心なんですよね。
「営業はどうなん?」って感じる方もいると思いますが・・・
私がいた化学メーカーでは営業も結局は理系のサポートでした。
化学メーカーの営業の仕事
- 受注管理
- 既存客のご機嫌伺い
- 新規の案件は理系につなぐ
新規の案件は社内の理系の人とつなぐのがお仕事です。だって、製品の技術的なこと聞かれても、文系の人にはチンプンカンプンだから。
文系の営業の仕事は、普段はお客さんのところに行って受注予定を聞いてくるだけになります。
BtoBのメーカーでガンガン新規のお客さんのとこ行って開拓するタイプの会社はあんまりないんじゃないでしょうか。
BtoCのメーカーなら違うかもですが、そもそも新卒は配属ガチャが待ってるんで希望の部署に慣れない確率の方が高いです。
文系メーカー社員の厳しい現実!仕事内容の実態とは
もっと具体的に、一部上場のBtoBメーカー、BtoCメーカーの両方を経験した私が、文系社員の仕事の実態をご紹介します。
あまり夢がなくて申し訳ないですが、これが現実です。
文系社員が工場配属なら人事か経理
工場配属で文系の仕事となると、ほとんどの人が経理、少人数が人事です。
私がいた会社では経理は総務も兼ねていて、何でも屋さんです。
工場の経理は、工場内にある固定資産を管理したり、伝票の承認をしたり、原価計算をしたりといった、かなり地味な仕事になります。
人事は工場内の人の管理、一部採用もやっていました。
メーカーはIT業界などと違って体質が古いままなので、入社3年は修業期間みたいなものです。
管理部門をやる気がない人は、メーカー以外の仕事を探した方が賢明です。
経営管理も結局は生産調整の仕事
工場ではなく、本社に配属される文系社員は何をしているのでしょうか。
本社には経理、人事、ごく少人数に広報や法務がいます。
事業部ごとに経営管理という部署がありますが、実際のところは営業が聞いてきた受注量をもとに、工場と調整するのが仕事です。
経営のかじ取りをするようなカッコイイ部署には50代以上のおじさんしかいません。
みんなのあこがれのマーケティングや商品開発の部署は、実績がある人か、転職してきた人。
転職先としてマーケティングの部署を選べるような業種・職種にいた人が転職するならメーカーという選択肢は良いと思います。
広告代理店やIT系のPR会社なんかよりは忙しくないですし、安定して働けます。
文系営業はお客と理系研究者の取り次ぎ
BtoBメーカーにありがちな営業としては、既存顧客の受注を聞いて回ること。
新規の案件については理系の人を連れて行く。という仕事です。
自分の会社の製品を使いたい、という人がいたとしてその性能を先方の理系社員に細かく聞かれるわけです。
文系の人では話についていけないのが普通です。
ということで、自分の会社の理系社員を顧客に引き合わせるおぜん立てをするのが仕事になります。
文系でメーカーに就職するメリットは?
デメリットばかり書いてしまいましたが、もちろんメーカーにもメリットがあります。
とにかく安定して働ける
メーカーと言えば安定、というイメージがあるかもしれませんが、その通りです。
多少景気が悪くなってもちゃんとボーナスも出るし、社宅や寮があって福利厚生も良いです。
よほど問題を起こさない限りはクビになることはなく、仕事ができない人もちゃんと定年まで雇ってくれます。(今のところは、だけど)
銀行などと違って文系の採用人数が極端に少ないので、長く働いてもらうのが前提になっていて、人を大事にする会社が多いのがメーカーの特徴です。
他の会社でもつぶしがきく
メーカーって世の中たくさんあります。そのすべての会社に経理や人事、総務などの管理部門がいるわけです。
どの会社でも使える知識を身に着けることができれば、転職先も増えます。
実際、経理社員の私も転職エージェントを使って転職しましたが、メーカー経理やってたという経験を活かせる求人、30社以上紹介してもらえました。
目に見える価値を社会に提供しているという自負
文系社員はモノづくりそのものに関わることはほぼありません。
しかし、自分が得ているお金が、社会に目に見える「モノ」を提供した対価であるというのは(ちょっと大げさに言うと)誇りを持てます。
決して他業界を非難するわけではありませんが、仲介業とか保険などの目に見えない商品を売るような業界だと、「私の仕事は社会に役立ってるのかな」と疑問を持つこともあるかと思います。
その点、メーカーは堂々と、こんないいものを作って社会に役立ってます、と言うことができます。
云わば拠り所となる「モノ」があるのはメーカーで働いてきて一番良かったと思える点です。
文系の就活生がメーカーを目指すなら
就活エージェントを使えるところだけ賢く使って書類・面接対策をして内定をつかむ
先ほども述べた通り、文系でメーカーを狙うのは狭き門であるということを頭に入れておいて対策すべきです。
私は、はじめからメーカーにしぼって誰にも相談せず、一人で就活をしてしまいました。
片っ端から一次面接に落ち、最終面接に進めたのはたった1社。本当に崖っぷちでした。
こんな風にならないためにも、自己流の就活はやめて、第3者目線でES・自己分析・面接対策のアドバイスをくれる就活エージェントを使ってみてください。
正直、どこを使っても内容はそんなに変わらないので、大手にいくつか登録しておいて自分に合うところをメインに使っていくのがいいと思います。
新卒向け大手就活エージェント
- キャリセン:内定獲得5.4倍※最短1週間で内定。安心のために内定が欲しいならまずここに登録しましょう。
- MeetsCompany:年間約10万人が利用する就活イベント※就活生の4人に1人が利用。リクルーターがついて親身に相談に乗ってくれる。
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もちろん、担当者にばらつきはもちろんありますが、一人で就活をやるのとは雲泥の差。
ライバルに負けないために、やれることはぜんぶやった方がいいです。
最後に言いたいのは、面接に落ちまくったからと言って、あなたに価値がないっていうわけでは絶対にないってこと。
文系のメーカーは倍率が高く、難易度が高いというだけ。あなたの良さを分かってくれる会社は絶対にありますよ。
無理しすぎず、落ち込み過ぎず、就活を進めてください。